山菜の時期も終わり、山には名も知れないきのこが少しずつ出始めた今日この頃、ホームグラウンドと化した山域にまたまた入りました。
地図上にない登山ルートを行き、GPSでログをとるのが今回の目的でしたが、久しぶりに熊に遭遇したので、近年の熊報道に鑑みて持論を展開したいと思います。
ツキノワグマ
登山道入り口には、必ずと言っていいほど”熊に注意!”の標識が掛けられているのですが、ここは妙にリアルな絵が描かれているのが印象的です。
若穂近辺の山にはこのような標識がある
熊を見るのは初めてではないのですが、この山域で見るのは初めてでした。
ガサガサという音のする方を見ると、大きな黒い塊(かたまり)が...。 く、熊だ!(゚◇゚) 距離にして8~9メートルくらいか。 怖さよりも、記録に残したいという知的好奇心の方が勝り、素早くスマホを取り出し、ロックを解除...。 カメラアプリの起動に思いの外時間がかかる。 普通、野生動物はじっとしてはいないので、撮影はほぼ不可能なはずだ。 カモシカだけは例外で、立ち止まってこちらをじっと伺っている。 これまで遭遇したカモシカより、遥かに距離が近い。 熊はまだ人間の存在に気づいていない。 1回目の撮影。まだ気づいていない? ズームアップで2回目のシャッターを切る。 熊が気づいて、さっと身構える。 ここが潮時か、目を逸らさず一歩後退りする。 攻撃の意志がないことを悟ったのか、一瞬にして翻り、背中を向けて熊が斜面を引き返していく。
と、こんな感じでした。
山登りを再開して5~6年。
2年ほどして、熊鈴を持たない派に転身した私ですが、その理由は次のようなものです。
一つ目は、可能なら熊より先に気づくこと。 とはいえ、野生動物の嗅覚は人間のそれとは比べものにならないほど発達しているので、あまり現実的ではないかも知れない。 二つ目は、静寂の中に身をおいて自然と一体化したい。 耳を澄ませば、風や木々の擦れ合う音、野鳥のさえずり、野生動物の気配など敏感に感じ取ることができます。 およそ熊が出そうもないところでも、熊鈴を鳴らし続けている登山者を見ると興醒めすることがあります。 とはいえ、熊が出そうなところや、気配を感じたときは、棒で木を叩いたりして熊に自分の存在を知らせたりするので、熊鈴を持つことが悪いとは決して思いません。 要は熊の存在もひっくるめて、山を愛するかということに尽きます。 元々熊の棲息域に人間が入り込んでいるのですから。
1時間弱で明徳山山頂に着きました。
ここは須坂の高甫小学校の学校登山の山です。
大人数でワイワイ登ってくれば、熊も近づいてくることはないでしょう。
明徳山山頂
ここからは地図上にないルートを下ります。
20分ほど行くと、突然開けた場所に出ました。
パラグライダーの発着所です。
麓にパラグライダースクールがあるようです。
帰りに熊と遭遇した辺りを観察すると、葉だけがきれいに食べられたコシアブラの木がいくつもあることがわかりました。
熊も山菜が好きなようです。
野生動物に食べられたコシアブラ
今日もこのブログのように、静かな一日が過ぎていきました。σ(^_^;